About CFRP
CFRPについて
CFRPとは
C arbon 炭素
F iber 繊維
R einforced 強化
P lastic プラスチック
の略であり、文字通り炭素繊維を用いて熱硬化プラスチックを強化した複合材料。
機械的物性面は炭素繊維、耐熱、対候、耐薬品については樹脂が担うことが多い。
CFRPに使用される樹脂は熱硬化エポキシ樹脂を使用することが多いが、
製造方法によっては常温硬化エポキシやポリエステル、ビニルエステルを使用することもある。
熱熱可塑樹脂を使用したCFRPはCFRTP(CarbonFiberReinforcedThermoPlastic)と呼ばれている。
CFRPの特徴
軽量・高強度・高弾性
軽量

高強度

高弾性

その他のCFRPの特徴
低熱膨張
炭素繊維が配向されて
いる
方向は極めて
低い
熱膨張であるが、
炭素繊維が配向されて
いない
方向は樹脂同等
の
熱膨張である。
振動の短時間収束
比剛性が高いので
金属
より短い時間で
収束。
鉄
200GPa/7.8g/c㎥=25.6
CFRP(200GPa)
200GPa/1.7g/c㎥=117.6
X線透過性
密度が低いので
X線の透過性が良い。
アルミと比較し
5倍程度の透過率。
アルミ1tとCFRP5tが
同等のX線透過量。
電磁遮蔽性
1600MHzまでの電波
を遮蔽すると
いわれている。
非磁性材料
金属を使用していない
ので
磁気を帯びず
誘導加熱しない。
導電性
炭素は導電性があり、
静電気対策として
使用可能。
ただし金属のような
電気抵抗の
低さはない。
銅
1.69×10−8Ω・cm
鉄
1.00×10−7Ω・cm
CFRP
1.70×10-3Ω・cm
(理論値)
疲労強度
軽量、高強度、
高弾性な
複合材料で
あるため
疲労強度が高い。
対候性・耐薬品性
使用している樹脂の
耐薬品性に依存する。
CFRP採用・使用時の注意点
〇異方性材料である
炭素繊維が配向されている方向は金属程度の物性となるが
炭素繊維が配向されていない方向は樹脂程度の物性となる。
また炭素繊維の種類ごとに物性が違うため、使用用途に合わせた炭素繊維の選定、
繊維配向、積層順を都度検討しなければならない。(材料設計)
〇脆性材料である
衝撃に弱く、塑性変形しない。強度限界に到達すると破断する。
〇耐熱温度は高くない
一般的なCFRPはTg=100℃程度である。これは樹脂のTgに依存している。
〇部品単体では確実に鉄、アルミよりも価格は高くなる
原材料費が高いこと、素材として使用するために手を加えなければならないこと、
機械加工が脆性材料を考慮した刃物と加工時間が必要となることが挙げられる。
費用対効果の見込める部品でなければ採用は難しい。